日本ジェラート協会では「第4回ジェラートマエストロコンテスト決定!日本最高のジェラート職人」を開催、優勝には大澤英里子さん(野菜ジェラート専門店なるこりん・宮城県大崎市)の「roots of I ~私の根っこ(原点)~」が選ばれ、同協会・鈴木俊之会長から表彰状とトロフィー、副賞として今年8月に横浜大桟橋で行われる「ジェラートワールドツアージャパン2019 横浜」への優先出場権を、同コンテストを主催するカルピジャーニジャパンのロレンツィオ・スクリミッチィ社長から贈られた。
「第4回ジェラートマエストロコンテスト」は、日本ジェラート協会が認定するジェラートマエストロの中から予選を通過した11名を選出、その技量・知識・こだわりを競うもので、3月5日に幕張メッセで行われているFOODEXJAPAN2019・トレンドステージのイベントとして開催されたもの。本選のテーマである「大好きな人に食べさせたいチョコレートジェラート」をもとに考えられた作品を、8名の審査員が審査し、優勝・準優勝・第3位・審査員特別賞、また多くの食のプロが集まるFOODEXという会場柄、100名の入場者が試食・投票する、一般投票最優秀賞を選んだ。
審査は審査員が「味」 「素材の活かし方」 「テーマ性(感性・オリジナル性)」 「ビジュアル」 「プレゼン内容」の5項目を、5段階で評価。店舗・商品の紹介を行う3分間のビデオ映像のあと、本人スピーチと審査員の試食で点数が付けられた。
優勝には大澤英里子さん(宮城県大崎市・なるこりん)、第2位に赤松美智子さん(香川県高松市・ロイヤルファームアカマツ)、第3位は同点で本田エリカさん(鹿児島県鹿児島市・スイートスイーツ)、岸本友之さん(北海道河東郡・ドリームヒル)を選出。また一般投票で最も支持を集めた一般投票最優秀賞には赤松美智子さん、高い将来性で今後を期待する審査員特別賞には宇畑香里(千葉県旭市・ホームオブマザーズ)が選ばれた。
優勝した大澤英里子さん(宮城県大崎市・なるこりん)は、 地元の野菜や果物を組み合わせた野菜ジェラートの専門店で、製造歴は3年と短いながら、第3回「ジェラートマエストロコンテスト」で準優勝、昨年の「ジェラート日本選手権」でも準優勝の実力派。
優勝作品の「roots of I(ルーツオブアイ) ~私の根っこ~」は、大好きな人、母に贈る感謝のチョコレートのジェラート。天然のピンク色をしたルビーチョコレートを使い、ルビーチョコレートの持つ酸味に似ている地元産のルバーブと、母との小さい頃の思い出の果物・桃を組み合わせたベースジェラートに、チョコレートとフロマージュブラン、そして地元の麹で作った自家製の甘酒と組み合わせ、ほのかな優しい甘味を加えた。
大澤さんは優勝について「第 3 回のコンテストでの準優勝、昨年の日本選手権で準優勝したが、目標をかなえるためにも優勝し、きちんと土台を作りたいと思っていた。家族やスタッフや地元の仲間たちが応援をしてくれ、優勝できたことが本当にうれしい。次のワールドツアーに向けさらに勉強し、みんなを幸せにできるようジェラート作りに今後も頑張りたい」とコメントした。
準優勝・一般投票最優秀賞をダブル受賞した赤松美智子さん(香川県高松市・ロイヤルファームアカマツ)の「DEAR MOM(ディア・マム)~ショコラ・オランジュ~」は、ビターチョコレートを自社生産のプレミア ム生乳を使い、マイルドビターなジェラートに仕上げ、濃厚なチョコレートジェラートに相性抜群のオレンジを様々な手法で加工して混ぜ込み、定番の組み合わせのジェラートを独創的に仕上げた。
第3位の本田エリカさん(鹿児島県鹿児島市・スイートスイーツ)の「4種のチョコレート~ジェラートのケーキ仕立て~」は、ルビーチョコを含めた4種のチョコレートを様々に組み合わせた滑らかなジェラートの層に、しっとりとしたチョコレートのスポンジケーキとやわらかいガナッシュチョコクリームを入れ食感のアクセントに。いくつもの重なりにスプーンを入れるとケーキの様な仕上がりが楽しめるパティシエならではの仕上げ。
同じく第 3 位の岸本友之さん(北海道河東郡・ドリームヒル)の「ヴァルカーノチョコラ」は、火山の圧倒的エネルギーをイメージしたチョコレートジェラートで、ルビーチョコレートでルージュカラー(火山)を表現し、ベリー系と合わせることでチョコレートの甘さを緩和させつつ果実感をプラスした。
審査員特別賞の宇畑香里(千葉県旭市・ホームオブマザーズ)の「イル・ソーレ」は、ホワイトチョコレート・レモン・ナッツ・ベルベーヌ・バニラの鞘・タイム・焼き菓子を使い、レモンクリームパイをイメージ。一つのカップで3つのレモンの香りを感じられる様にするため、ベースとなるジェラート、ソース、菓子に異なったレモンの香りをのせ、黄色のソースで輝いている姿を表現した。
コンテストの最後に、審査委員長の鈴木俊之日本ジェラート協会会長は、「今回の11人のファイナリストは、北海道、宮城、千葉、石川、滋賀、京都、香川、鹿児島、沖縄、と全国からジェラートを作っている人たちが集まった。テーマに沿いながら家族を思うことや、地元の食材をうまく使っていくことは、たいへん難しかったこと思うが、いろんな知恵を絞って試行錯誤していくことが今後の協会の礎になっていく。今日は審査員の評価だったが、地元に帰った時に、おいしいジェラートと地元の方々に評価されるよう、明日からもがんばってもらいたい」と総評を述べた。
本選出場者は①谷口佳隆(滋賀県近江八幡市・食産工房)②大澤英里子(宮城県大崎市・なるこりん)③中川昌平(京都府京都市・新八茶屋)④赤松美智子(香川県高松市・ロイヤルファームアカマツ)⑤岸本友之(北海道河東郡・ドリームヒル)⑥本田エリカ(鹿児島県鹿児島市・スイートスイーツ)⑦酒井拓海(滋賀県彦根市・アズーロ)⑧宇畑香里(千葉県旭市・ホームオブマザーズ)⑨羽間辰彦(石川県野々市市・マルガ-ジェラート)⑩堀川宙(石川県七尾市・能登ミルク)⑪高安梓(沖縄県宜野湾市・ヤンバルジェラート)の11名(敬称略)。
審査員は審査委員長の鈴木俊之(日本ジェラート協会会長)、桜木正美(日本アイスクリーム協会専務理事、平田早苗(ポットラックインターナショナル代表)、田口幸(ロッテアイス研究所主査)、小澤純子(豊玉香料研究所部長)、志村美和(旭東化学産業研究所開発課長)、森國晶子(第 1 回ジェラートマエストロコンテスト優勝、ジェラート日本選手権優勝)、根岸清(グランドマエストロ)の8名。